
2012年01月12日
ガンバレ『いぶき』!

みなさん『いぶき』が地球のまわりを飛んでいることをご存知ですか?
地球観測衛星のひとつである温室効果ガス観測技術衛星 『いぶき』(GOSAT): Greenhouse gases Observing SATelliteは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを宇宙から観測する世界で初めての人工衛星で、地球上で排出されたり吸収されたりする様子を観察でき、文字通り、地球の息吹を知ることができる衛星なのです。
『いぶき』は、京都議定書の第一約束期間(2008年~2012年)における地球上の温室効果ガス濃度分布の測定と、長期的な気候変動予測に必要なデータの取得のために開発されました。
天気予報でお馴染みの気象衛星「ひまわり」は高度3万6000kmの地点で、赤道上空を東西方向に周回し、地上からは止まって見えるため、静止衛星と呼ばれていますが、実際には地球の自転と同じ、1日に1周の速さで回っています。一方、『いぶき』は気象衛星に比べて地球にかなり近く、高度666kmの宇宙空間を、南北に回る極軌道で高速で周回しています。地球を1周するのにかかる時間はわずか100分で、1日に14周するようです。観測地点は地球全体で56,000箇所、これは従来の地上観測点の約150倍以上にもなっています。
環境省は来年度から、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や国立環境研究所と共同で、世界で唯一の温室効果ガス観測技術衛星『いぶき』の後継機開発に着手、16年の打ち上げを目指すことを発表しました。いぶきでもある程度、実際の排出量は分かりますが、国ごとの排出量まで把握するのは難しかったようで、より精密になる後継機は、面積が「大陸のように」広い国なら把握が可能。米中など大排出国の排出量が正確か、宇宙から検証できるほか、南米アマゾンやアフリカのコンゴ盆地などの熱帯雨林の吸収能力低下などの「異変」もいち早く察知できるようになるらしいです。
『いぶき』の成功を受け、米国は13年、中国は15年、EUも18年に同様の衛星を打ち上げる。環境省は「各国と協力して温暖化対策に役立つデータの提供を続けていきたい」と話しています。
現在、いぶきの運用は順調ですが、設計上の耐用年数は5年。未来の子どもたちのためにも、しっかり、頑張って情報を送り続けて欲しいものです。ガンバレ『いぶき』!
Posted by 伊吹達郎 at
23:39
│Comments(0)